北関東で消えた女:詩語篇
北関東で消えた36歳フランス人女性はどこへいってしまったのか。
パスポートや身の回りものをホテルに残して忽然と消えた彼女。
しかし彼女には持病があり携帯している薬(これもホテルに残っていた)を服用しないと意識不明になる可能性もある。
彼女の決断は間違いだったのか?
早計だったのか?
あるいは策略なのか?
バブル時代から急成長した高級家具小売大手は実父との確執から醜悪な父の追放劇を経て事業継続が不可能なまでに衰退してしまった。
子役女優出身でもありインディーズの歌手でもあった彼女。
生家は古くから伝わる名家でランスに居を構える。
幼少時から病弱で大人になるまで生きられないともっぱら噂だった。
今では元気に歌手活動を続けていた彼女。
時折突拍子の無いSっ気のある言動もするが憎めなかった彼女。
彼女はどうしたかったのか?
あるいはどうもしたくなかったのか?